「石巻市震災遺構　門脇小学校」で津波火災の怖さを学ぶ

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石巻市震災遺構　門脇小学校

「門脇小学校」には、地震が起きた際に多くの人が避難しに来ておりました。しかし、津波の避難所にはなっていませんでした。海に近い南浜地区の津波の高さは5〜7m以上に及び、門脇地区でも2〜6m以上となりました。校庭に集まっていた住民たちは校舎へ逃げ込みました。さらなる津波と津波火災から逃れるために裏山へ教壇を橋にして渡りました。

門脇小学校では津波の襲来からまもなく津波火災が発生しました。１階は津波と津波火災、2階・3階は津波火災の痕跡をとどめています。津波火災の原因は燃えながら流れてきた家屋などが校舎にぶつかり燃え広がったためとされています。

外観を見るだけでも地震・津波・火災の被害を見ることができます。現在は風雨にさらされ煤が落ちていますが、当初はもっと黒かったとのことです。

受付をして門脇小学校の中に入ります。

被災した車両です。地震発生後にポンプ置き場から出そうとしたが、シャッターが地震の影響で歪み開けることができず、大津波に流されました。60m離れた地点で写真の状態で発見されました。

こちらは1階の校長室です。津波と火災で無惨な状態です。写真中央の大きな箱は金庫で、当時卒業式を1週間後にひかえ、この金庫には卒業証書が保管されていました。奇跡的に金庫の内部は火災・津波の浸水を免れ、4月に行われた卒業式で卒業生に手渡されたそうです。

震災以前の門脇小学校からの眺めです。多くの住宅地が建っているのがわかります。

2024年現在の光景です。見る角度は少し違いますが、あれだけあった住宅はほぼありません。以前に住んでいた方で戻ってくる方はなかなかおられないとのことでした。「震災以前のことや震災当時のことを思い出してしまい辛い」と話されていたとのことです。

こちらの柱時計は中央昇降口に置かれていた歴史を感じさせるものです。津波により40m離れた会議室で見つかっています。

この黒板は1階会議室にあったものです。ちょうど津波の高さのところがわかります。

この椅子と机は3階の6年生の教室にあったものを展示してあります。津波だけであれば助かっていたであろう高さの教室でも、津波火災により木の部分は全て燃え、フレームのみになってしまっています。津波火災の恐ろしさが想像できます。

最後は応急仮設住宅の展示があります。

これだけ見ると設備はちゃんとしているのではないかと思いますが、プレハブが建っているだけなので、環境はよくなかったようです。夏は暑い冬は寒い、お年寄りや体の不自由な方のことは考えられておらず、いろいろな地区の方が住むことになるので近所付き合いもなく、生活も不安定になってしまう入居者の方もいたようです。

家族で生活されていたのだとわかる壁がありました。この壁は実際のものを移設したものです。

石巻南浜津波復興記念公園

石巻南浜津波復興記念公園は以前は家屋など人の営みがあった場所が津波による被害で跡形もなくなった跡にあります。

避難場所の高台からの眺めです。360度記念公園全体を見渡すことができます。右に見えているのがみやぎ東日本大震災津波伝承館です。左の煙突があるところは、日本製紙クレシア株式会社の工場です。

石巻南浜津波復興記念公園の中央にある「みやぎ東日本大震災津波伝承館」です。

無料で入館できます。パネルがあり案内人の方が詳しく説明してくださいました。震災当時の記録映像も見ることができます。

閲覧資料だけでなく、VRで震災場所の映像を見ることができるブースも設置されています。